歯を失う原因ランキング|1位は歯周病?歯を守るためのメンテナンス
こんにちは。名取市の「あおば閖上歯科医院」院長安藤です。
今回から数回に分けて、
「なぜ歯は失われるのか」
というテーマについてお話ししていこうと思います。
「歯を失う一番の原因は、むし歯では?」
そう思っている方も多いかもしれません。
しかし、全国調査を見ると、歯を失う原因の第1位は「むし歯」ではありません。
歯を失う原因ランキング|1位は歯周病
公益財団法人8020推進財団が行った「第2回 永久歯の抜歯原因調査(2018年)」によると、歯を失う主な原因は次の通りです。
第1位 歯周病 37.1%
第2位 むし歯 29.2%
第3位 破折(歯が割れること) 17.8%
この3つだけで、抜歯原因の84.1%を占めています。
つまり、生涯自分の歯を残していくためには、
歯周病・むし歯・歯の破折
この3つへの対策が非常に重要になります。
歯を失う原因1位「歯周病」が怖い理由
歯周病の怖いところは、かなり進行するまで痛みなどの自覚症状が出にくいことです。
むし歯の場合、
「冷たいものがしみる」
「噛むと痛い」
などの症状から異常に気づくことがあります。
ところが歯周病は、
「痛くないから大丈夫」
と思っている間にも、歯を支えている骨が少しずつ失われていることがあります。
そして、歯がグラグラしてから歯科医院を受診したときには、すでに歯を残すことが難しい状態になっているケースもあります。
そのため歯周病では、
症状が出てから治療するのではなく、症状が出る前から定期的に状態を確認すること
がとても大切です。
歯を失う原因に関係する「歯にかかる力」
歯を長く守るうえで、もう一つ見逃せないのが歯にかかる力です。
たとえば、
・寝ている間の歯ぎしり
・食いしばり
・起きているときに無意識に上下の歯を接触させ続ける癖
などがあります。
強い力や長時間の力が繰り返しかかると、
・歯や歯根にヒビが入る
・詰め物や被せ物が欠ける、外れる
・歯がすり減る
・歯周病で弱った歯にさらに負担がかかる
といった問題につながることがあります。
特に、むし歯治療を何度も受けた歯や、神経を取った歯では、残っている歯質が少なくなっている場合があります。
そこへ長年の力が加わり、ある日突然、歯が割れてしまうこともあります。
実際に「歯の破折」は、歯を失う原因の第3位です。
そして、この「力」の問題も、歯周病と同じように本人が気づいていないケースが少なくありません。
歯を失うのは、ある日突然ではありません
この調査では、抜歯数が最も多かった年齢層は65〜69歳でした。
しかし、65歳になった途端に歯が悪くなるわけではありません。
若い頃から繰り返してきたむし歯治療。
少しずつ進んできた歯周病。
長年、歯にかかり続けてきた負担。
こうしたものが10年、20年、30年と積み重なり、ある時点で歯が限界を迎える。
日々の診療でも、そう感じるケースは少なくありません。
だからこそ、
「痛くなったら歯医者へ行く」
だけでは、歯を長く守るには十分ではないのです。
歯を失わないために大切な「定期管理(メンテナンス)」
そこで大切になるのが、歯科医院での定期管理(メンテナンス)です。
「メンテナンス」というと、
「歯石を取る」
「歯をきれいにしてもらう」
というイメージを持たれる方も多いと思います。
もちろん、歯石除去やクリーニングも大切です。
しかし、定期管理の本当の目的はそれだけではありません。
歯を失う原因をできるだけ早く見つけ、悪化させないよう継続して管理していくこと。
これが大きな目的です。
定期管理では、
・歯周病が進行していないか
・新しいむし歯ができていないか
・詰め物や被せ物に異常がないか
・歯にヒビや異常なすり減りがないか
・歯ぎしりや食いしばりの兆候がないか
・磨き残しが起こりやすい場所はどこか
などを継続して確認します。
必要に応じて歯石やプラークを除去し、ご自宅での歯磨きなどセルフケアについても一緒に見直していきます。
メンテナンスで大切なのは「前回との比較」
定期管理で特に大切なのは、
一度診て終わりではなく、時間の経過を追うこと
だと考えています。
たとえば、
「前回より歯周ポケットが深くなっていないか」
「以前はなかった歯の摩耗やヒビが出ていないか」
「いつも同じ場所に磨き残しがないか」
こうした小さな変化は、一度だけ診察したのでは分からないこともあります。
同じ歯科医院で継続して状態を確認していくからこそ、変化を早い段階で見つけられることがあります。
これが、定期管理(メンテナンス)の大きな意味です。
「治す歯科」から「歯を失わないための歯科」へ
あおば閖上歯科医院で私が大切にしたいのは、
悪くなった歯を治すだけではなく、治療した歯や今ある健康な歯を、できるだけ長く守っていくことです。
もちろん、必要な治療はきちんと行います。
しかし、本当に大切なのはその後です。
治療が終わった状態を、どうやって10年、20年と維持していくか。
歯周病。
むし歯。
歯の破折。
そして歯にかかる力。
こうしたリスクを定期的に確認していくことが、将来一本でも多く自分の歯を残すことにつながります。
ご自宅での毎日のセルフケアと、歯科医院での定期管理(メンテナンス)。
この両方を続けながら、ご自身の歯を一緒に守っていきましょう。
よくある質問
Q. 歯を失う一番の原因は何ですか?
2018年の8020推進財団の調査では、最も多い原因は歯周病で37.1%です。次いで、むし歯29.2%、破折17.8%となっています。
Q. 痛くなくても歯科医院でメンテナンスを受ける必要がありますか?
歯周病などは、自覚症状が少ないまま進行することがあります。痛みが出る前から定期的に状態を確認することが、異常の早期発見につながります。
Q. 歯科医院のメンテナンスでは何をしますか?
歯周病やむし歯の確認、詰め物・被せ物の状態、歯の摩耗やヒビ、磨き残しなどを確認し、必要に応じて歯石やプラークの除去、セルフケアのアドバイスなどを行います。
次回は「歯周病」について
次回は、歯を失う原因第1位の「歯周病」を詳しく取り上げます。
「痛くないのに、なぜ歯が抜けるのか?」
その理由と、歯周病から歯を守るために何ができるのかを、できるだけわかりやすくお話しできればと思います。
執筆:あおば閖上歯科医院
出典:公益財団法人8020推進財団「第2回 永久歯の抜歯原因調査」(2018年)